東京労災一人親方部会では、日々、さまざまな工事業種の一人親方様から労災保険の特別加入のご相談をいただき、そのための手続きを行っています。
そんな中で、電気通信工事業に携わる一人親方様の割合も比較的多く、どんな労災事故が発生する可能性があるのかについてや、労災保険に加入するメリットについてのご質問をいただくく機会も多くあります。
電気通信工事業とは?
これは既に電気通信工事業に携わられている方には不要の知識かと思いますが、念のため触れておきますと、電気通信工事業とは有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事のことをいい、具体的にはLAN工事、インターホン設置や防犯カメラの設置工事、アンテナの設置工事、携帯電話の基地局の設置工事等などが該当します。
これらの工事を行うにあたって、懸念される労災事故はどのようなものが考えられるでしょうか。
電気通信工事業で懸念される労災事故
電気通信工事業で発生する可能性のある労災事故は、たとえば以下のようなものが考えられます。
1.脚立作業中に転落、転倒してしまう事故
もっとも多い事故で、手足が滑った際などに起きています。これは電気通信工事業の一人親方様に限らず、様々な工事業種で発生する可能性の高い典型的な労災事故のパターンといえます。
誰かに呼ばれて振り向いた際など、些細なきっかけでも不注意によって大きな事故へと繋がってしまう危険性もあるため、よくある作業だからこそ十分な注意を要します。
2.電気設備による感電による事故
こちらは1番目の例とは異なり、電気通信工事業の一人親方様だからこそ発生してしまう危険性の高い労災事故といえます。
こちらも脚立作業中と同様、ちょっとした不注意によるものがほとんどですが、事故の結果は比較的重度の危険性があり、酷いケースでは死亡事故も報告されています。
3.誤接続・誤接触やケーブル損傷・抜けによる事故
こちらも2番目の例と同じく、電気通信工事業の一人親方様に多い労災事故の典型例です。
誤接続や後接触、ケーブル損傷等が絡む労災事故はかなりの件数が報告されています。
労災保険に加入するメリット
以上が電気通信工事業の一人親方様に生じやすい労災事故の典型例となります。
ところで、労災事故が発生してしまったとき、労災保険に加入していないとどのようなデメリットが生じてしまうのでしょうか。逆にいえば、労災保険に加入することは、どのようなメリットを受けることができるのでしょうか。
労災保険加入のデメリットとは
まず工事の大前提となる部分ですが、現在では労災保険に加入していない一人親方様は、現場作業中発注者の現場の担当者より、現場から退場を命じられたり、事故の際補償がまったく受けられないなどのデメリットを受けてしまうことがかなり多くなっています。
そのため、労災事故の際の安心というよりも、まずは現場で電気通信工事を行う前提(つまり現場への入場ライセンス)として、労災保険に特別加入をされるというイメージで捉える一人親方様も多いようです。
労災保険加入のメリットとは
逆に労災保険に加入しておけば、次のようなメリットが考えられます。
1.事故後に保険の給付がある
まず第一に、労災保険に加入していれば治療費は全額、国が補償してくれるため、休業中の不安が解消されます。
2.間接的に、家族や事業が守れる
また、治療費の補償に加えて、一定の給付金があるため一人親方様が入院や治療を行う間も、収入が途絶えずに済みます。
一人親方様は、ケガが治る前から「早く現場へ復帰しなければ!」という過度な焦りを抱く必要が軽減されますし、また間接的には一人親方様の治療中、収入が途絶してしまう危険がなくなりますから、家族、そして事業を守ることが可能です。
3.現場に堂々と入れる
既にご説明した内容と重複しますが、最近は労災保険の加入員証がないと現場に入れないことも多く、仕事の前提としての労災保険加入が必須とも言える状況となっています。
何も気にせず、現場に堂々と入れることは心理的な負担もなく、間接的かつ小さいながらも労災保険の大きなメリットといえるかもしれません。
一人親方向け労災保険でお困りの方へ
以上、電気通信工事業で起こりやすい典型的な労災事故のパターンや、労災保険に加入しておくメリット・デメリットについてご案内しました。
東京労災一人親方部会では、電気通信工事業の一人親方様からご相談を頂き、労災保険への加入手続きをサポートさせて頂く事例が多くございます。
もし労災保険未加入の状態でお悩みの一人親方様や、労災保険の制度や加入方法についてよくわからずお困りお困りの際は、一度お電話にてご相談ください。
親切丁寧にご説明させていただき、もし加入をご希望の際には迅速な手続きで一人親方様をサポートいたします。