一人親方として建設業を営んでいる方が、事業拡大などのタイミングで新たに従業員を雇用するということはよくあります。
では、これまで従業員を雇用していなかった一人親方の人が初めて人を雇い入れるときには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
ここでは、従業員雇用の手続きについて、必要な書類や社会保険、そして労災保険の切り替えの順にご説明いたします。
従業員を雇ったとき必要になる届出
まず従業員を雇ったときに必要となる、各種届出について説明します。
個人、法人を問わず年間100日以上雇用する労働者を雇った時点で、従業員はハローワーク(公共職業安定所)で雇用保険に加入させなれればなりません。
雇った側は雇用契約書を作成(月額給与がいくらや、労働する時間など)して、従業員に対して働く条件を明確にする義務が生じます。
また、個人事業は5人以上、法人は社会保険(健康保険、厚生年金保険)に強制適用になります。
これを放っておくと、役所(年金事務所)から文書が送られてきて、しばらく前の時点まで遡って社会保険を適用させられた(まとめて支払うことになった)例なども結構あります。
従業員を雇用し、労働保険事務組合に委託する際は、事業をやっていることがわかる書類(確定申告書写しなど)と従業員の方の雇用契約書など個人情報のわかる書類があれば、雇用保険加入手続などを進めることができます。
社会保険に加入する時も、法人であれば謄本、個人であればやはり事業実態のわかる書類と従業員の賃金台帳など個人情報のわかる書類が揃えば速やかに加入することができます。
なお、当団体では開業暦20年以上の社会保険労務士が在籍しております。これらすべての手続きにスムーズに対応することができますので、もし初めての従業員雇用でお困りの一人親方様がいらっしゃいましたら、お電話・メールによてお問い合わせください。
社会保険の負担はどのくらい?
さて、これから従業員を雇用しようとするとき、社会保険加入が必要なケースでは「いったいどれくらいの負担が会社に増えることになるんだろう?」と心配される経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえば、東京都で200.000円の給与で新たに従業員を雇い入れようとすると・・・(建設業の場合です)
雇用保険料は1000分の12(従業員負担率1000分の4)ですから、毎月2,400円が保険料となり、その内800円を従業員の給与からから控除することになります。
健康保険は19,920円(うち従業員負担分が9,960円)厚生年金は35,656円(うち従業員負担分が17,828円)となります。
いかがでしょうか、意外と多いなと思われましたか?それとも思ったよりも負担は軽そうだと思われましたか?
一人親方の労災保険は切り替えが必要
ここまで、従業員を雇用する場合の手続きや社会保険についてご説明しました。
ところで、従業員を雇用するとなると、これまで「一人親方」として労災保険へ特別加入していた一人親方様は、もう「一人親方」には該当しないことになります。
そのため加入している労災保険を「中小事業主」という種別の労災保険に切り替える必要があります。
この手続きは事業主が直接役所に手続きすることはできず、労働保険事務組合に事務を委託した上で労災保険に特別加入することになります。
この切り替えの手続きが、最近得に増えてきております。
当団体ではすみやかに移行の手続きを進めて、一人親方の時と同じように「会員証」を発行しております。従業員の雇用でお困りの建設業者様は、お気軽にご相談下さい。当会が建設業者様のお力になります。