労災保険とは、業務上又は通勤途中に負傷したり、病気になったり、障害者になったり、あるいは死亡した場合に、本人や遺族を保護するために必要な保険給付を行うものです。 また、労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。
労災保険に加入できる人
アルバイト、パート、正社員など名称の如何に問わず、労働者として事業所で働いている人。自分の意志に関係なく加入します。
労災保険に加入できない人
事業主として労働者を雇用している人。株式、有限会社の取締役など役員など。原則加入できませんが、自分から特別加入することができます。
一人親方として労災保険に特別加入できる人
建設業の一人親方とは、株式会社、有限会社の役員・個人で従業員のいない方で現場で働く人や、家族だけで建設業を営んでいて現場で働く方全員、従業員がいても年間100日未満しか労働者を使わない方です。
1.建築工事や内装工事、とび・土工工事など一般的な工事業種(建設業28業種)
一般的な建設業の工事業種に含まれる工事に携わる一人親方様は、原則、労災保険への特別加入ができます。建築工事、大工工事、官工事、電気工事、造園工事や、機械器具設置工事などが一般的です。
最近では解体工事や、パソコン設置工事なども対象になります。
2.清掃やビルメンテナンスなど特殊なケース
また、判断が難しいものでは、たとえばアパートの退去後リフォームをする業務であったり、清掃とともに壁紙の張替えも合わせて施工するような業務である場合は、内装工事の一人親方として労災保険へ加入することができます。
ちょっと特殊なケースでは、し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事は、一見、建設工事にあたらないようにも思えますが、清掃施設設置工事として労災保険に特別加入できることになります。
対して、ビルメンテナンス業務では一人親方として労災保険に特別加入することができません。
一人親方として労災保険に加入できない人
前述のビルメンテナンス業務のほか、次のような仕事に携わる方は、建設業の工事とはみなされないため、一人親方として労災保険へ加入することができません。
A)建設現場のガードマン派遣業務
ガードマン業務は、あくまで警備を行うことが目的であり、建設業の工事業種ではありませんので、一人親方としての労災保険加入は難しいです。
B)機械、器具の保守点検業務
同様に、保守点検作業なども、建設業であるとまではいえず、一人親方として労災保険に加入することができません。
C)従業員を雇用している場合※
一人親方として労災保険に加入できるのは、文字のとおり「一人親方」である場合です。
そのため、年間100日以上従業員を雇用したり等で一人親方ではなくなってしまうと、一人親方として労災保険へ特別加入することはできません。
また、一人親方であった方が年間100日以上従業員を雇用するに至った時点で「中小事業主」という種別の労災保険に変更しないと、労災事故の際補償を受けられないだけではなく、最近では元請けの担当者から現場退場を余儀なくされています。
この場合は、労働保険事務組合に委託すれば、労災保険に特別加入することができます。
当団体では、このような場合も速やかに移行できるような体制を整えています。「こんな仕事をしているけど、一人親方として労災保険に特別加入できるかな?」というご相談だけでなく、一人親方が従業員を雇用された場合の労災保険の種別変更につきましても、お困りの際は当団体までお気軽にご相談下さい。